髙木シューができるまで 日々向き合うことで生まれる美味しさ

髙木シューができるまで 日々向き合うことで生まれる美味しさ

菓子工房アントレの人気商品「髙木シュー」が生まれるまでの物語をご紹介。この記事では、髙木シェフに直接お話を伺い、髙木シューができるまでの制作秘話をお届けします。職人の情熱と技術が詰まった髙木シューの誕生秘話を知ることで、より一層美味しさを実感いただけるはず!

お菓子の基本となるシュークリームへの挑戦

シュークリームは、多くのパティシエにとって初期に学ぶ基本的なお菓子の一つ。専門学校や修行中、パティシェはこの伝統的なフランス菓子に挑戦することが多い。シンプルな材料で作られるシュークリームですが、その奥深さに驚かされる。生地の膨らみ具合、クリームの滑らかさ、そして全体のバランスを追求する中で、お菓子作りの基礎を学ぶ。もちろん髙木シェフも例外ではなく、専門学校時代にシュークリームの基礎を学んだ。
基本的な菓子とされるシュークリームだからこそ、その技術と味わいに妥協は許されない。一つ一つの工程に細心の注意を払い、生地の焼き加減やクリームの濃厚さを追求し続ける。シュークリームは、パティシエの腕の見せどころであり、技術と創造性を表現できる絶好の商品だ。

思い描いた味に辿り着くまで何度も試作を重ねる。

フランス留学時代から培った技術を活かし、何度も試作を重ねることで理想の味と食感を追求。ガス台の前に立ち、10リットル以上もの素材を丁寧に混ぜ合わせる作業は、体力勝負。この地道な努力が、理想の食感とフワフワな口当たりを両立させた独特の生地を生み出す。
火を扱うガス台の前は温度もあがり、焦げ付かぬように、均等に火が通るように、手を止めず素材を混ぜ合わせていく、この手炊き作業はまさに根気と集中力を要する。生産量が増える数年前まで髙木シェフは毎日この作業を続けた。
このひとつひとつと向き合う工程を髙木シェフは何年も何度も続ける。何のジャンルでもプロは常に細部にもこだわり、積み重ねていく努力のもとになりたっていくが、お菓子作りも例外ではないことを感じる。

スチコンや地元素材との出会い。

チームコンベクションオーブンの導入により、髙木シューの品質が飛躍的に向上。従来の平釜と比べ、蒸気と熱風を同時に制御できるスチコンは、シュー生地の膨らみと食感を最適化。均一な加熱と適度な湿度により、外はカリッと、中はしっとりとした理想的な食感が実現。さらに、温度と湿度の微調整が可能なため、季節や気候の変化にも柔軟に対応できるようになった。この革新的な調理機器との出会いにより、髙木シューは一層美味しく、安定した品質で提供できるようになった。
また、地元素材を使用するという髙木シェフの理念により出会った「皆川牧場」の生乳、「押木養鶏場」の紅孔雀も髙木シューの味を作るには欠かせない。
バニラビーンズの香りが効いた濃厚なクリームは、口に入れた瞬間に広がる豊かな風味が特徴。地元の素材を使用することで、地域の特色を活かしつつ、季節ごとの味わいの変化も楽しめる。このカスタードクリームは、ふんわりしたシュー生地との相性も抜群で、髙木シューの美味しさを決定づける重要な要素となっている。

しっとり食感、とろける濃厚クリームが絶品。

髙木シューの魅力は、サクサクとしたクッキー部分フワフワとした生地の食感の絶妙なバランスのシュー生地、クリームにあわせてふんわりとしたした柔らかさを保っている。この独特の食感を生み出すために、生地の配合や焼成方法に細心の注意が払われ、さらに、シューの中に詰められたクリームは、濃厚でありながらも口当たりが軽く、シュー生地との相性が抜群。クリームには厳選した地元素材が使用され、丁寧な手作業で仕上げられています。この完璧な組み合わせが、多くの人々を魅了する髙木シューの美味しさの秘密。

日々、作り続けられることの喜び。

「お菓子を食べてくれる人がいるからこそ、作れることができる。だから日々、できた!と喜びを感じることができる」と髙木シェフ。
生ケーキやシュークリームなどは、毎朝5時頃から本店の厨房にて髙木シェフが制作。何十年も続けている制作だが、変わることなく出来上がった時には喜びを感じるそう。
食べてくれる人がいるからこそ、毎日作れる。生産者の方の努力のもとにその素材をいただけ、牛や鶏たちから命をいただいている。そんな根本の思いが今日も髙木シェフを厨房へと向かわせる。
そして、もっと美味しく、を追求していく原動力となる。
お客様の手元に届くお菓子にはそれぞれのシーンがある、箱を開けた時の「わぁ!」、食べた時の「おいしい!」を想像しながら、手を抜かず、常に前を向きながら、髙木シェフは今日も厨房に立つ。


取材・文:北田綾

 

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