パティシェが惚れ込む 押木養鶏場の卵

パティシェが惚れ込む 押木養鶏場の卵

洋菓子店で使用される卵の品質はお菓子の味を左右する重要な要素です。多くのパティシエが、理想の卵を求めて試行錯誤を重ねています。そこで、この記事では、菓子工房アントレで使用している押木養鶏場の卵を取材しました。
養鶏場の取り組みや卵の特徴を知ることで、お菓子作りの奥深さや素材選びの大切さをお伝えします。

押木養鶏場の紅孔雀

菓子工房アントレが押木養鶏場の「紅孔雀」の使用を始めたのは、押木養鶏場が現在の茨城県龍ヶ崎市に鶏舎を移転する以前、先代の頃からスタート。当時は、現在の船橋直売所に鶏舎があり、鶏の飼育が行われていました。
押木養鶏場では「紅孔雀」という赤卵を生産。鶏の種類は赤卵の王様「ボリスブラウン」を飼育、「紅孔雀」とは餌につけた名前で登録がされているそう。
卵の味を左右するのは、餌の影響が高く、人間が食べたもので体が作られるのと同じように、鶏も食べたもので卵の品質や味が大きく異なるそうです。
押木養鶏場は独自ブレンドの餌を長年かけて開発、海の素材を惜しみなく使用し、ミネラル成分の多い現在の「紅孔雀」が出来上がりました。
また、会長の時代から黄身だけではなく白身も美味しくということを念頭に置いて餌の開発が行われていたため、押木養鶏場の「紅孔雀」は白身も美味しいとの口コミも多くみられます。

鶏にストレスのない環境での飼育。

押木養鶏場では現在2万8千羽の鶏たちが卵を産んでいるそう。鶏舎はすべてオートメーション可されており、空調も完備。余裕をもった羽数しか1ゾーンに入れず、鶏たちが餌や水をしっかりと摂取できるように工夫されています。
鶏舎には傾斜がかかっており、産んだ卵はもちろん、抜けた羽なども傾斜により取り除かれ常に衛生的な環境が保たれています。
全ウィンドレスとなっており、鶏たちは照明により昼と夜を見極め、人の出入りも体調を確認する午前の1回だけにすることで鶏たちのストレスを軽減させているそう。
また、押木養鶏場ではひよこの飼育も行い、ワクチンなども自社管理している。そういった管理下の元で安心安全な卵が私たちに提供されています。

お菓子の要となる卵の味わい。

スイーツの味を左右する重要な要素の一つが卵です。洋菓子店で使用する卵の品質は、最終的な商品の風味や食感に大きく影響します。
「紅孔雀」は濃厚な味わいをもち、スイーツの味を格段に引き立てます。卵の風味がしっかりと感じられるカスタードクリームやプリン、しっとりとした食感のスポンジケーキなど、多くのスイーツで卵の特性が活かされています。パティシエたちは、良質な卵を求めて養鶏場を厳選し、その卵を使用することで独自の味わいを生み出しています。卵の味わいが際立つスイーツは、シンプルながらも奥深い美味しさを楽しむことができ、多くの人々を魅了しています。
白身の味にも力を入れている押木養鶏場だからこそ、髙木シェフは白身だけを使用することもあり、その力強い弾力の違いに一目を置いていたそうです。

塩と胡椒だけの卵かけご飯で味の違いが感じられる。

お話しをお伺いした押木養鶏場の山田さんのおすすめは塩と胡椒だけで食べる卵かけご飯。
さっそく筆者もやってみましたが、黄身のコクと白身の弾力が素晴らしく、すっかりハマってしまいました。
白身も美味しくが、なるほど!と感じさせる卵かけご飯の概念を覆す味わい。
アントレのお菓子から感じた卵の美味しさはこれだったのか?!と納得の味わいでした。

販売数に制限がある希少な「紅孔雀」

押木養鶏場は現在の出荷数より増やすことは今のところは予定はないそうで、船橋の直売所は当日の出荷数が売り切れ次第終了。
年末年始やメディア取材の後には、夜中から並んでしまうこともあり、近隣住民の皆様にご迷惑をおかけしないように警備員の配置なども行なっています。
菓子工房アントレのような飲食店などへの出荷も、既存取引以外は増やす予定はないそう。押木養鶏場の「紅孔雀」を使用したプロのスイーツが食べれるのは千葉県では菓子工房アントレだけとなります。

※購入をご検討の方は、近隣の皆様のご迷惑にならないように直売店へお越しください。

アントレのスイーツの美味しさの秘密は卵にあり。 

ロールケーキから感じられる卵のコク。チーズケーキのチーズの風味を活かす濃厚さ、プリンのとろけるような食感とクリーミーさ。滑らかな舌触りと、口の中に広がるクリーミーな甘さは、まさに至福のひととき。この極上の食感と風味は、卵の力がなければ決して生み出すことはできません。
アントレのお菓子にはすべて押木養鶏場の卵が使用されており、その品質の良さ、味の奥深さは、お菓子作りに毎日向き合っている髙木シェフも惚れ込む良質な素材です。

菓子工房アントレと押木養鶏場の今後にも期待が高まります!

今回の取材において、高木社長が素材から感じ取っていた卵のこだわりが繋がった点が多々あり、より素材に対しての想いが高まったと高木シェフ。
「アントレさんのことはメディアや口コミでも知っていた」と押木養鶏場山田さんも取引前からご存じだったそう。
店内には、菓子工房アントレの取材記事を壁に貼ってくださり、お客様からも「アントレのスイーツは押木さんの卵ですよね?」といったご質問もあるそう。
安心安全で美味しい希少な卵を届ける押木養鶏場と、その卵を使った絶品スイーツをつくる菓子工房アントレに今後も期待せずにはいられません。

【押木養鶏場 船橋直売所】
〒274-0806 千葉県船橋市二和西5丁目8−5
 047-447-5200
※営業時間・定休日は変更になる場合がございます。
ご来店される前に店頭にお問い合わせください。


取材・文:北田綾