アントレスイーツを支える。皆川牧場の生乳

アントレスイーツを支える。皆川牧場の生乳

アントレのスイーツのしっとりな食感、自然な甘さと豊かな風味とコクの秘密は、新鮮な地元素材にある! ということで3月某日、アントレのスイーツを支える生乳を提供する千葉県船橋市「皆川牧場」へ髙木シェフとお邪魔させていただけることに! アントレのスイーツの要となる生乳ができるまで詳しくレポートします。

デンマークで経験を積んだアニマルウェルフェアを取り入れた愛のある飼育

千葉県北西部、船橋市鈴身町【皆川牧場】自然がたくさんある広大な土地で、ホルスタインを中心におよそ150頭の乳牛を飼育しています。その飼育方法は放牧スタイル。全国の乳用牛の飼養頭数のうち、放牧されているのは約20%前後と言われ、土地の広い北海道や九州などではよく見られますが、関東ではとても少ない飼育方法です。
きっかけは大学時代に実習で訪れたデンマークでの牧場でのインターン経験。アニマルウェルフェアを取り入れた飼育を見て感銘を受けた皆川さんは試行錯誤のすえ、現在の【皆川牧場】の飼育スタイルを確立しました。
背中を押してくれたのは、皆川さんのおじいさんだそう。

【皆川牧場】の創業は昭和27年、皆川さんの祖父が数頭の牛の飼育を始めたことがきっかけでした。
皆川さんが日本に戻り、デンマークでの経験を経て、今まで思っていた酪農とはまったく違う飼育方法に固定概念がとれ、やってみたいと家族に提案。まだまだアニマルウェルフェアという言葉すら耳にしたことのない時代。その提案に創業者のおじいさんが「孫がそういうならやるしかないだろう」と1番の協力者になってくれました。
そこから、現在の場所に土地を購入し、徐々に頭数を増やし現在の【皆川牧場】の飼育方法になりました。

アニマルウェルフェアとは、「動物は生まれてから死ぬまでその動物本来の行動をとることができ、幸せでなければならない」とし、家畜のストレスが少なく、行動要求が満たされた健康的な生活ができる飼育方法のことです。
一般的な酪農では乳牛は牛舎につながれており、なかなか自由に動くといくことが難しい。
【皆川牧場】では広い牛舎に牛たちは好きな場所に好きな格好で自由に暮らしている。「こんにちわー!お邪魔しまーす!」と声をかけると興味津々な子は寄ってきて柵に近づいて来てくれたりととても可愛い。
子牛の牛舎では皆川さんが近づくと服にちょんちょんと鼻を近づけ、「撫でて〜」と近寄ってくる子も。
普段から愛のある対応で飼育されていることが、牛たちの表情からわかる光景を拝見させていただきました。

安心した美味しい生乳をお届けするための、徹底した衛生管理。

【皆川牧場】では搾乳室は牛舎とは別の場所にあり、朝夕と2回の搾乳は牛たちが移動して搾乳室に入ります。
寝床とは別の場所で行われるため、衛生的に搾乳ができます。
また、IDタグを用意て、牛が移動してくると個体識別が行われ、牛の健康状態を管理、異常や状況を早く発見できるオペレーションが整っています。
洗浄も、最初に乳頭を専用の機械で洗浄し、専用液でさらに消毒、一度テストで絞って異常がないことを確認してから搾乳に入ります。搾乳後も開いた乳頭に菌が入らないようにコーティング液にて消毒。そこから絞った生乳はバルククーラーまで空気にふれず移動させ冷却。細心の注意を毎日繰り返して【皆川牧場】の安心で安全な牛乳は届けられています。

こうした徹底した衛生管理のもと【皆川牧場】は農場における食品安全を確保するための衛生管理システム「農場HACCP」(ハサップ)を取得しています。
【皆川牧場】では、一時搾乳時の管理消毒や他にも、IDによりシステム上のダブルチェックを行ったり、動物は話すことができない体制なので事前に体調の変化に気をつけて細心の注意を守って、医薬品などの保管にも管理表が作られていて、心にどのスタッフが対応しても問題が起きない工夫がされていました

私たちが日々飲んでいる牛乳は、生産者の日々の管理により安全に美味しくいただけているということを実感させていただきました。

ストレスなく育てられた牛たちの生乳の豊かな味わい

【皆川牧場】の生乳はその甘さが段違い、お菓子作りにとってその自然な甘さは欠かせないと髙木シェフ。
自然な甘さももちろんだが、それは風味に影響してくるそう。アントレでは週に1回から2回、髙木シェフが自ら【皆川牧場】に新鮮な生乳をとりに伺っているそうです。
アントレ工房内の殺菌機で殺菌され、私たちが大好きなあの「髙木チーズ」や「髙木ロール」にも使用されいています。
食べた瞬間に「わぁ!」と感動するあの濃厚でコクのある風味豊かなお菓子たちには、こういった【皆川牧場】の日々の飼育や皆川さんの牛たちをストレスなく生活させるアニマルウェルフェアの信念のもと届いています。

皆川さんもアントレチルドレン?!素敵なご縁。

アントレの旧店舗は【皆川牧場】さんのほど近く二和向台にあったことから、皆川さんは昔からアントレのケーキを購入していたそうです。
お取引のきっかけは、取引していた牧場の廃業の際にご紹介していただいたそうですが、お話が来た際に皆川さんは「あのアントレさん」とすぐに素敵なケーキを作られてるお店だなぁと思ったとおっしゃっていました。
アントレは、「子供の頃から特別な日はアントレのケーキ!」と創業からの年数分の一緒に成長しているお客様が多いそうで、船橋ではそういったアントレチルドレンの方々が多くいらっしゃします。実は皆川さんもアントレチルドレンでしたね!しかも旧店舗からだから先輩ですね!とその場がとても盛り上がりました!
髙木シェフのお菓子への真摯な向き合い方と、皆川さんの信念をもった牧場づくりは、やはりどこかリンクして繋がる素敵なご縁を感じ、そうした繋がりから美味しいお菓子を食べれているのだなぁとつくづく感動してしまいました。

朝絞った生乳を使って作るフレッシュチーズ!

【皆川牧場】では朝しぼった新鮮な生乳から作るフレッシュチーズの販売をしています。
チーズには主にブラウンスイス種のミルクを使用しています。このヨーロッパ原産のブラウンスイス種は、ホルスタイン種に比べると乳量は少ないのですが、高蛋白質でコクのある美味しいチーズが生まれます。
酪農家にしか作れない搾りたての生乳をぜいたくに使ったフェルミエ・チーズ。
「フェルミエ」とは「手作りの」「農家製の」という意味。農家が自分で育てた牛から搾った新鮮な生乳のみを使用し、その土地の製法で作った自家製チーズのことを「フェルミエ・チーズ」と呼びます。
牛乳本来の美味しさがしっかり味わえる本当のフレッシュな味わいをご堪能ください!
※ご購入をご検討の方はページ下部のインスタグラムより販売店をチェックしてください!

ソフトタイプのフレッシュロビオラチーズは、ほのかな酸味の中に、搾りたて生乳のコクが感じられます。
パンにつけたると、パンの香ばしさに優しい酸味がよく合う!口当たりもまろやかで風味も豊かです。
ひょうたんのような形が特徴のスカモルツァアフミカータは、モッツァレラ同様に成形し、飽和食塩水に浸した後、数日間吊るして水分を抜き、熟成させるひと手間で「旨味」と口に含んだ時の「やさしい歯ごたえ」のあるチーズ。
桜チップで燻製したものがアフカミータです。焼いても形が崩れないチーズなので、焼いていただいたところ少しとろりと溶けて燻製の風味が増し、ミルキーで優しい味わいに引き締まった食感。これは朝食はもちろん、ワインとの調和が最高!
【皆川牧場】では作りたてを販売店に卸しているそうで、これは酪農家しか作れないフレッシュ感を感じられる逸品です。

菓子工房アントレと皆川牧場の奇跡のスイーツ

アントレのスイーツは船橋という地域の恵まれた環境とご縁に支えられていると髙木シェフ。
船橋は海もあり、自然もあり、【皆川牧場】のような真摯にものづくりに向き合われている方も多いそう、またそのご縁が繋がり、アントレの奇跡のようなスイーツが出来上がり、私たちの元へ届けられます。
髙木シェフと皆川さんの取材で、今後も一緒に何か取り組みましょう!と話していた内容にもとっても期待しています。
菓子工房アントレと皆川牧場に今後も目が離せません!

 

【皆川牧場】
HP:https://minAGAWA-farm.jimdosite.com

Instagram:https://www.instagram.com/minAGAWA_farm/ 

取材・文:北田綾

皆川牧場の生乳を使用した商品